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JC制覇、アーモンドアイは完璧な馬。
ルメール「サッチ・ア・ストロング」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2018/11/26 11:20
年度代表馬を完全に手中に収めたといえるアーモンドアイ。次の目標設定はどれほど高くてもよさそうだ。
平成の最後に出た世界レコード。
秋華賞のレース直後、熱中症のようになって歩様を乱したが、今回も、似たような状態になったという。
「前回よりはマシでしたが、そういう体質なのか、口取り写真を撮ったあと、少しフラつくところがありました。ちょっと心配ですが、たぶん大丈夫だと思います」
素直な性格なので、一戦ごとに全力を出し切ってしまうのだろう。
古馬と初対決だったにもかかわらず、単勝支持率は'06年のディープインパクトに次ぐ史上2位の53.4%。その圧倒的な支持に応えるべく、牡馬勢を力でねじ伏せた。こんな3歳牝馬は見たことがない。
現時点ですでに「化け物」なのに、今なお強くなっている真っ最中だ。
「まだ底を見せていないのかな、という気がしています。素晴らしい贈り物を授かりました。どこまで行けるのか楽しみで仕方がありません」
平成最初のジャパンカップでは、オグリキャップと死闘を演じたニュージーランドの牝馬ホーリックスが2分22秒2の世界レコードを叩き出した。そして、平成最後のジャパンカップではアーモンドアイが2分20秒6で世界を震撼させた。
その突出した力でどのような新時代を切り拓いていくか。アーモンドアイが見せてくれる夢を、楽しみたい。