【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
『グラゼニ』凡田夏之介が
池田純にガチンコ人生相談!
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byNumber/Morning
posted2018/11/29 07:00
公開対談に臨んだ池田純さんと、凡田夏之介選手。話は思わぬ方向に展開し……。
ほとんどが新たな世界に挑戦。
アスリートのセカンドキャリア、という言葉が世の中に知られるようになってから、ずいぶんと時間が経った。
プロ野球出身者で、球団に残り指導者や球団職員の仕事に就いたり、あるいはメディアで活躍するのはごく一部の人で、残りは新しい世界へのチャレンジとなる。昔であれば、プロ野球選手が焼肉店を開くのはよくあることで、飲食業に進出する選手が多かった。
それは有名人としての知名度を生かしてのことだ。ただ、それらはいずれも、現役時代に手にしていた年俸には到底及ばないことが多い。
給与の推移は一般人と大違い。
池田「僕が球団社長時代は、新人選手が入ってきたときに、生涯賃金の話をして、いわゆる契約金はすぐに使わず、将来のためにとっておくように話していました。プロ野球選手の給与の推移は、一般のそれとはあまりにも異なるカーブを描きますし、何よりも激しい競争社会ですからね。
支配下選手枠が70名と限られている中で、毎年ドラフトなどで10名弱の新人選手が入ってくるわけですから、育成枠をのぞけば毎年7人に1人の割合でクビになる選手が出るわけです。新人の時は、誰もが成功の夢を見ているけれど、残念ながらそう甘くはない。
もしも大怪我などを負って、選手としてのキャリアを諦めなければならなくなったときに、自分はどうしたいのかを、頭の片隅に置いておくだけで、次の一歩の踏み出し方はずいぶんと変わってくるように思いますよ。
さて、夏之介選手。あなたは現役を終えたあと、何になりたいのですか?」
夏之介「ひえ~……全然わかりましぇ~ん!」
池田氏は、軽くパニックになり、目を潤ませている夏之介の肩をポンポンと叩くと、優しく声をかけた。
「だと思いました(笑)。ではこれから、私と一緒にセカンドキャリアを考えていきましょう」
公開対談は一転して、「夏之介・セカンドキャリア会議」へと変貌を遂げていった。
(第2回につづく)
『グラゼニ 〜パ・リーグ編〜』1話目はコチラから
http://morning.moae.jp/lineup/970