【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
『グラゼニ』凡田夏之介が
池田純にガチンコ人生相談!
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byNumber/Morning
posted2018/11/29 07:00
公開対談に臨んだ池田純さんと、凡田夏之介選手。話は思わぬ方向に展開し……。
ちらつく「引退」の二文字。
夏之介「僕は先発で勝負したいと思って、昨年オフにパ・リーグの球団を選びました。大きなチャレンジでした。でも正直、全然活躍できていません……。その一方で、3人目の子供も生まれたばっかりです。しかも、まさかの双子! 今は1億以上の年俸をもらっていますが、やっぱり野球選手は、ユニフォームを着ているうちしか稼げない。今年で僕は32歳。正直にいえば、『引退』の二文字も少しチラついてきてるんです。
僕はこの先、どうすればいいか……。悩んでいるんです」
にわかに会場の雰囲気が変わった。池田さんの目の奥も、キラリと光っている。
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池田「夏之介選手はつまり、セカンドキャリアを不安に思っている……と」
夏之介「そ、そうなんです!」
池田「なるほど……ではまず、夏之介選手は、何になりたいんですか?」
セカンドキャリアをどう築く?
夏之介「というと……?」
池田「大事なのは、どこで生き残りたいかを考えることです。そもそも引退後も野球界で生きていく、と考えるのか。それとも、野球から離れて、文字通りセカンドキャリアを築いていくのか。
野球界にとどまり仕事を続ける、ということであれば、まずは指導者の道。夏之介選手は投手ですから、投手コーチ、ブルペンコーチ、さらにいえば監督だったりGMという職種も視野に入ってきます。あるいは、野球解説者としてメディアと契約を結んでいく、という方法もあります。
一方、野球界から離れて勝負したい、というのであれば、勤め人でいくか、自営業で行くかを考えなければなりません。毎年何億と稼いでいたプロスポーツの世界から、その半分以下の年収となるようなサラリーマンになり、あるいは事業を起こし、いまの生活を維持していくことが果たしてできるのか。
いずれにしても、自分が何になりたいのか、そこから始めなければなりません」