話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
堂安律の口癖「まだまだっすよ」。
サラーを研究して取り戻した感覚。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/11/22 11:25
11月の連戦でも潜在能力を感じさせた堂安律。しかしこんなところで満足するような男ではない。
「自分の株を上げないと」
べネズエラ戦では、その成果を見せた。
前半26分に大迫からパスを受けて、ファーストタッチで反転して前にボールを置き、右足でシュートを打ったが惜しくも外してしまった。
「あれは、もらう前からイメージができて、いい感じで左足のトラップができた。あのシュートはいつもやとアウトで打っているけど、右足で打ったのも日々の練習のおかげ。でも、これからもっとコンディションが上がってきます。そうしたら、もっといいプレーができると思います」
11月のリーグ戦はエクセルシオール戦から2試合連続でゴールを挙げ、勝利に貢献。堂安が言うように上り調子になり、迎えたのがべネズエラ戦だったのだ。
「今、チームの調子がいいんで気持ち良くプレーさせてもらっています。でも、まだまだですね。1試合1点ではなく複数点取って、もっと絶対的な数字を叩き出したい。まずは帰ってフェイエノールト戦があるんで、そこで点とって自分の株を上げないといけない」
右肩上がりの状態が面白くて。
堂安は決意を秘めた声でそう言った。
9月から11月までの3カ月で、堂安の日本代表における存在感は右肩上がりで大きく伸びていった。そういう変化を堂安は「おもしろい」と笑う。
「この3カ月は、すごくいい刺激になりました。でも、まだまだやなって気がついた。僕はまだ大きな結果を残していないですからね。だから、アジアカップで自分が活躍して日本を優勝させて絶対的な選手になる。自分の想像に追いつけるようなプレーができるようになりたいと思っています」
3カ月で日本代表の定位置を掴んだ。
その先の「絶対的な選手になる」というのは、これからの作業になる。結果を出さなければ、その称号は得られない。自分のプレーを世界最高水準にし、自分がなりたい選手になるために、「まだまだっすよ」は、しばらく続きそうだ。