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鹿島ACL先勝はボランチの妙にあり。
三竿健斗が記した2戦目への誓い。

posted2018/11/05 11:15

 
鹿島ACL先勝はボランチの妙にあり。三竿健斗が記した2戦目への誓い。<Number Web> photograph by Getty Images

大岩剛監督が描いた「複数得点、無失点勝利」のゲームプランを遂行した鹿島。初のアジア王者が見えつつある。

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池田博一

池田博一Hirokazu Ikeda

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Getty Images

 ボランチ。ポルトガル語で「ハンドル」を意味する言葉だ。アントラーズの守備的MFの2人が、まさにその言葉通りに攻守の舵取り役となって、勝利を手繰り寄せた。

 11月3日、AFCチャンピオンズリーグ決勝第1戦。

 堅守速攻。相手のペルセポリスは、堅い守備から前線のアリプールとメンシャの2人を中心に、鋭いカウンターでゴールに迫るサッカーを得意としていた。

 ただ、分かってはいても普段対戦しない中東のクラブが相手、そして初めてのACL決勝という舞台に、戸惑いが生まれた。

 レオ・シルバが「決勝という舞台で誰しも緊張はあるもの。チームとしても立ち上がりに影響があった」と言えば、昌子源は慣れない相手のサッカーに「(動きが)硬かった」、安部裕葵も「相手はタイミングが違った。ディフェンスやオフェンスの仕方が違っていた」と前半の立ち上がりを振り返る。 

大岩監督が伝えたメッセージ。

 前半、チームとして相手を受けてしまったことで、勢いを与えたと考えた大岩剛監督は、ハーフタイムに1つの言葉を選手に伝えた。

「勇気を持って守備ラインを押し上げよう」

 全体を前に押し上げることで、サイドが使えるようになる。そして、相手を横に広げられれば、中央でのコンビネーションから攻撃を仕掛けられるようになる。それは前半を終えて、ピッチで戦った選手も感じていたことだった。

「前半から、右サイドで作れば左サイドが空くことは分かっていた。ハーフタイムに、もっとワイドにサイドを使って攻めていこうと話していた」(山本脩斗)

 ピッチを広く使うことで、後半は徐々に主導権を握り始めた。

【次ページ】 流れを変えたレオ・シルバ。

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