“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
U-20W杯出場権をかけた決戦の日。
最大の敵はインドネシアの大観衆!?
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2018/10/28 08:00
五輪世代として注目を浴びている現在のU-19日本代表。U-17W杯に続いて、U-20W杯へも出場できるか?
粒揃いの選手でスタメン決まらず。
「こっちが誰を先発にするんだと迷ってしまうくらいです。これは嬉しい悲鳴ですよ。コンディションも含めて、大きな怪我もなく、みんなが『次の試合だ、次の試合だ』とモチベーション高く向かえているのは素晴らしいこと」と影山雅永監督も目を細めたように、間違いなくU-19日本代表は毎試合、その強さを増してきている。
とはいえ、一発勝負の準々決勝は一筋縄ではいかないだろう。
もしかすると、対戦相手がインドネシアと聞いて、「日本はラッキーだ」と思う人もいるかもしれない。
筆者の知人でもメールで「確実に勝てるね」というメッセージを送ってきた。
だが、その考えは改めた方が良い。
近年、東南アジアのサッカーレベルは急激に上がってきており、そのトップグループとも言える国が、タイ、マレーシア、インドネシアなのだ。
中でもタイとインドネシアの躍進は目覚ましい。
東南アジアの急成長を象徴するチーム。
タイとインドネシアでは国内におけるサッカー人気が大いに盛り上がっており、日常生活のさまざまな風景の中でもサッカーを目にすることが多い。さらに、それぞれの国内リーグも盛況で、下部組織、若い世代への投資も盛んだ。
日本代表は、インドネシアとは今年3月のインドネシア遠征で一度対戦している。今回の試合会場となるゲノラ・ブン・カルノスタジアムで、この時は日本が4-1で快勝したが、「インドネシアはだいぶ強い。今大会も1試合目、2試合目と非常にタフな試合をしてきました。2試合目はカタールにインドネシアが負けたとは言え、5点取り返してあと一歩という5-6にまで戻しましたし。昨日の第3戦のUAE戦も1人足りない中、走力では明らかに上回っていた。間違いなく強さで勝ち上がってきた実力あるチーム」と影山監督も気を引き締めていた。
今大会、インドネシアは地元の大観衆の後押しもあって、初戦でチャイニーズ・タイペイに3-1で勝利すると、第2戦のカタール戦では壮絶な打ち合いを演じている。前半だけで4-1と大きく引き離され、さらに51分に失点し、その後、6-1にまで突き放されたたが、ここで諦めるどころか怒濤の4ゴールを決めたのだ。