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大坂なおみのリズムを崩したもの。
「勝ちたい気持ち」との付き合い方。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byHiromasa Mano
posted2018/10/23 17:00
世界のトップ8人しか出場できないWTAファイナル、大坂なおみにとっても楽な試合は1つもない。
本当に悲しかったのは5分間だけ。
幸い、この大会はラウンドロビン(リーグ戦)方式だ。負けてしまっても次がある。大坂が試合後の心境を明かした。
「本当に悲しかったのは(試合直後の)5分間だけ。それからは、負けた試合ほど学ぶことが多いと考えるようにした。この試合から学ぶことはなんだろう、次の試合に生かせることはなんだろうと考えた。最高の選手ばかりなのだから、当然どれも厳しいバトルになるけれど、そういうふうに考えれば、試合ごとによくなっていける」
次戦に向けてのマインドセットとしては満点だろう。ここで感じたことを、ラウンドロビンの第2、3戦にどう生かすか。その機会があること自体、選手には大きい。
大坂はいまだ発展途上の選手である。そして、間違いなく4大大会でこれから何度も優勝争いにからんでいく選手だ。'17年の全米女王スティーブンスと、WTAファイナルズという舞台で戦った3セットには大きな意味があった。ラウンドロビンの残り2戦に限った話ではない。将来に向けて、こういう試合、こうした難しい局面を、いくつもくぐり抜ける必要がある。そこから何かを学ばなくてはならない。
苦い敗戦で始まったラウンドロビンをどう乗り切るか。この3試合は、大坂の今後につながるはずだ。