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<V3の原動力ここにあり>
只今カープスカウト運転中。

posted2018/10/22 15:00

 
<V3の原動力ここにあり>只今カープスカウト運転中。<Number Web> photograph by Miki Fukano

球団から貸与されるマツダ車を走らせまずは姫路の球場へ。

text by

安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph by

Miki Fukano

 独自のドラフト戦略で年々チーム力を向上させ、リーグ3連覇という黄金期を築いた広島東洋カープ。マツダ車で奔走するそのスカウトに密着した。

 ある秋の1日。この日、広島東洋カープ、鞘師智也スカウトがやって来たのは、社会人野球・新日鐵住金広畑グラウンド(姫路市)だ。

 目的は入社2年目の148km左腕、坂本光士郎投手の「最終チェック」。

 10月25日のプロ野球ドラフト会議が近づくと、スカウトたちは指名候補選手たちの最後の見定めのために全国へ散る。この日の練習試合のネット裏にも、セ・リーグ3球団、パ・リーグ4球団、合計10人のスカウトが陣取っていた。

 カープで8年間、外野手としてプレーしてから、鞘師は30歳でカープの関西地区担当スカウトになった。今年でスカウト8年目。大阪を含む関西2府4県の高校、大学、社会人……すべてのカテゴリーを一人でカバーするという大役を担う。

「今年は、大阪桐蔭の2人(根尾昂、藤原恭大)に報徳学園の小園海斗、大学にも辰己涼介(立命館大)と関西に逸材が多い。どうなるかわかりませんけど、僕にとってはこう、胸がグゥーッと熱くなる感じのドラフトなんです」

 坂本投手、この日の登板は7回以降。そんな情報がネット裏に伝わると、スカウトたちの雰囲気が和む。雑談、電話連絡、タブレットで情報収集。タブレット……そういえば、ちょっと前までこんなツールはなかった。今は地方球場で高校野球を視察しながら、手元のタブレットで東京六大学リーグの映像を見るといった、そんなスカウティング手法も定番になった。

 入社時から昨年の都市対抗あたりまでは絶好調だった坂本投手。それが、徐々に調子が落ちてきて、この秋からようやく本来の姿を取り戻しつつある。こうした1年間の変遷を、鞘師スカウトが時系列で克明に教えてくれる。マークする選手の1年を「線」で捉える。その線をどう読み解くのか……それが「評価」になってくる。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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