野球善哉BACK NUMBER
浅村がこぼした「力の差を感じる」。
西武とソフトバンクは何が違ったか。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2018/10/22 12:00
リーグ最下位の防御率を攻撃力でカバーしてリーグを制したが、短期決戦ではその両極端さが裏目に出た形だ。
シンデレラは育てるものなのだ。
もっとも、投手陣のパフォーマンスに大きな差がでたのは、CSでのマネジメントだけが原因ではない。シーズン中から一軍の戦力になれる投手を育ててこなかったことの結果でもあるのだ。
フェニックス・リーグで研鑽を積んでいる若手から誰かを呼び寄せるのか。あるいは、シーズン終盤のパフォーマンスから、誰かにチャンスを与えて、相手の弱点をついていけるか。
ソフトバンクの高橋や椎野のような“シンデレラボーイ”的存在をシーズン通して育てられなかったことが、戦力差となってCSで露呈したのだ。
改めて、西武はソフトバンクに劣っていなかったと思う。
打線がハマった時の破壊力は、ソフトバンクにヒケをとってはいなかった。だが、勝負の差は結果が示す通り明らかに大きかった。
西武にはシンデレラがいなかった。
いやむしろ、シンデレラが生まれるストーリーがなかったから敗れた、という言い方が正解なのかもしれない。