強いクラブに行ってほしいな。

　そんな長友に「日本代表が強くなるために必要なこと」について訊いた。

「（若い）彼らには強いクラブへ行ってほしいなというのが僕の願うことですね。レベルの高い選手とやることで、見えてくるものがあると思うから。

　技術面だけでなく、精神面でも学ぶことが多いはず。勝利が義務付けられたビッグクラブで厳しいサポーターやメディアのもと、勝負するという経験をしてほしい。僕自身、インテルでそういう経験をしてきたからこそ、そこは強く言えますね。チャンスがあるなら、とにかくビッグクラブに行けと」

　アジアカップで優勝しても、アジア予選で良いチーム作りができたとしても、親善試合で金星と言われる勝利を手にしても、ワールドカップで結果が残せる保証は何もない。現代表においては、4大会連続出場を目指す長友がそれを一番よく知っているはずだ。

　だからこそ、あえて、今、苦言を口にする必要はないと考えているのだろうか。同時に、アジアカップを獲った2011年のときのような、「勢い」を代表にもたらしたいと思っているのかもしれない。

　そんな長友がチームを奮い立たせるための苦言を口にしたとき、若いチームが次のステップへと進むことになる。W杯までの道のりは短いようでやはり長いもの。今後歩むだろう紆余曲折こそが日本代表の強化へと直結する。