プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人が原新体制に託す巨大な宿題。
指導者も、育てる必要があるのだ。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2018/10/20 12:00
2018年の巨人は、負けるべくして負けたのだろう。勝つべくして勝つ球団に生まれ変わるための戦いが始まる。
「必ず、高橋監督の再登板はある」
ただこうした思い切った指導者のシフトチェンジは、新監督の意向が大きく反映されたものだったと聞く。
その意向を受けて球団も、指導者の若返りへと大きく舵を切る決断をした。その決断の背景こそ、現在の球界では他に類を見ない、経験と実績のある原新監督という存在だった。
もちろん原新監督も、勝つことを求められる。ただ同時にこれからの数年間は、巨人が本格的に再建への道を歩む期間とすることで、球団も腹を括った。
真っ赤に染まったマツダスタジアム。
終戦を迎えてビジターパフォーマンスシートに陣取る巨人ファンに最後の挨拶を行った高橋監督には、広島ファンからもあつい拍手と声援が飛んだ。
「原監督の次か、それとも松井秀喜さんの監督が実現した後か。いずれにしても必ず、高橋監督の再登板はある。そのために指導者としての勉強をできるように球団でもサポートすることになると思う」
複数の巨人関係者がこう断言するように、退任する高橋監督にとっても、原監督が指揮を執る数年間は再起への充電期間となるはずだ。
そして巨人は原マジックに、再建へのすべてを託すことになる。