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錦織圭は決勝8連敗でも勝負強い?
ランク急上昇の謎をデータで究明。 

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今田望未

今田望未Nozomi Imada

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photograph byHiromasa Mano

posted2018/10/17 11:20

錦織圭は決勝8連敗でも勝負強い?ランク急上昇の謎をデータで究明。<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

マスターズ制覇をあと一歩で逃している錦織だが、気づけばトップ10間近。やはり世界的な実力者なのだ。

ポイントの獲得効率が良い。

 他の選手と比較すると、35勝しているステファノス・チチパス(ギリシャ)や34勝しているデニス・シャポバロフ(カナダ)とレースランキングのポイントで1000ポイント以上、つまり1.5倍以上のポイント差をつけている。

 今年の錦織がこれまでと違うのは、勝ち星に対するランキングポイントの獲得効率の良さなのだ。

 シーズンを振り返ると意外な敗戦が多い。しかし、グランドスラムでは出場した3大会全てで2週目まで勝ち残り、敗れた時の相手は優勝か準優勝している。

 マスターズでも7回中3回でベスト8以上。敗れた試合のうち4試合はBIG4が相手。大きな大会では1勝のポイントの重みが違う。ビッグマッチを制してきたことが、結果的に効率の良いポイントの獲得につながっている。

デルポトロの負傷によって……。

 先々週の楽天ジャパンオープンでのダニール・メドベデフ(ロシア)への敗戦は衝撃的だった。決勝までの勝ち上がり方からあの結果を想像できた人はほとんどいなかっただろう。

 そのためか、メディアでは盛んに決勝8連敗という言葉が連呼され、勝負弱いという印象が世間に広まったように感じる。しかし、8連敗するまでの錦織の決勝成績は11勝5敗だった。トータルでもまだ11勝13敗だから、決して悪い数字ではない。むしろ今シーズンの錦織の快進撃は、ここまでであげたような勝負強さが支えているのだ。

 ファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)の骨折というショッキングなニュースが入ってきた週明け。ニュースそれ自体は非常に残念で、一日も早い回復が望まれるが、もしデルポトロが今シーズンの残りを欠場すれば、最終戦の8人目の枠に錦織かイズナーが入る可能性が出てきた。各種状況から、ほぼこの2人のマッチレースと見ていいだろう。

 最後の1枠を手繰り寄せるカギになるのが、この勝負強さではないだろうか。

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