錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
全米OP+25歳=四大大会初制覇?
世界が優勝候補と考える錦織圭。
posted2015/08/28 11:45
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Hiromasa Mano
当然ながらテニス雑誌は表紙の写真が売り上げに関わるそうで、日本では最近どこも錦織圭を使うことが多い。だいたい3~4号は錦織が続いて、一度海外選手をはさんでまた錦織というパターンである。なお、海外選手もここ数年はビッグ4に限られているといっていい。
そんな中、ドイツのテニスマガジンの最新号の表紙が錦織である。躍動感あふれる〈エアK〉。
現在トップ20の男子がドイツ人には1人もいないという国内事情を踏まえたとしても、まだグランドスラム優勝もしていなければ世界のトップ3にも入っていない、世界4位のアジアの選手を表紙にするということは、保守的なドイツ国民の視点からはかなりの冒険かもしれない。全米オープンの直前という重要な号。そしてドイツは、かつてボリス・ベッカーやシュテフィ・グラフを生み出した国でもある。ときどき私たちは、錦織に対する評価において冷静な目を失いがちだが、これは「錦織の全米オープン制覇の可能性は?」の問いに対する1つの答えと見ていいのではないだろうか。
ドイツの雑誌で見つけた、錦織の意外な本音。
中には錦織のロングインタビュー。ネットで日本語版を購入できるというサービスは、日本のファン熱を当て込んだもののようにも思えるが、350円というお手頃価格でもあり、ついつい彼らの〈思うツボ〉の行動に出てしまった。
それでも実際のところ、日本人には常識的な情報ばかりだろうと高をくくっていたのだが、意外な本音を知ることもできた。
その中の1つだが、グランドスラムに関してはこう言っている。
「全米オープンが一番好きですし、ニューヨークで勝つことができれば最高です。でもグランドスラムタイトルをひとつ選んでもいいのなら、アジア・太平洋地域で一番価値のある全豪オープンです」