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「ケイは近いうちにトップ10に入る」
フェデラーが錦織圭に与えた“保証”。 

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秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byGetty Images

posted2014/04/01 11:50

「ケイは近いうちにトップ10に入る」フェデラーが錦織圭に与えた“保証”。<Number Web> photograph by Getty Images

フルセットにもつれこむ激戦を終え、互いを称えあうフェデラーと錦織圭。今季フェデラーからタイブレーク以外でセットを取ったのは5人のみ。トップ10が見えてきた。

 元世界ランキング1位、そしてジュニア時代のあこがれの選手であったロジャー・フェデラーを破った錦織圭に、インタビュアーが問いかける。

――すごくタフな試合を2つこなして、次も(世界ランク2位のノバク・)ジョコビッチ。3戦連続でトップ5の選手と戦う気分は?

 錦織は微笑を浮かべ、平然と答えた。

「マスターズですからね。トップ10選手を何人か倒さないことには決勝にはたどり着けません」

 米国マイアミで開催されたソニーオープンは、男子ツアーで「マスターズ1000」のカテゴリーに属する。大会の格をピラミッド型の模式図で示すなら、頂点に並ぶのは四大大会で、そのすぐ下に位置するのがマスターズ1000。大量のランキングポイントがかかった「準グランドスラム」に、選手たちは高いモチベーションと万全の準備で臨む。

 錦織が世界ランク4位のダビド・フェレールと同5位(ともに大会時)のフェデラーを連破する快挙を演じたのは、そういう舞台だった。

昨年の同大会で完敗したフェレール戦の反省。

 実は3回戦も難関だった。第20シードの錦織が挑んだのは第15シード、グリゴル・ディミトロフ。錦織とともに男子ツアーの次代のリーダー候補と目される22歳だ。このタレントに7-6、7-5で競り勝って、錦織は波に乗った。

 8強入りをかけた4回戦、対戦相手はフェレール。ここまで2勝3敗と相性は悪くない。錦織がやるべきことをやれば、チャンスのある相手だった。

 やるべきこととは何か。

 フェレールとは昨年のソニーオープンでも対戦、完敗を喫している。これは錦織にある程度の手応えと小さな悔いを残した試合だった。昨シーズン末、錦織はこう回顧している。

「いいところまでいっていましたが、多分、安全パイを選んでしまうところがあったと思う」

 フェレールはツアー屈指の守備力を誇る。徹頭徹尾、アグレッシブに戦わなくてはその鉄の壁は崩せない。錦織もそれをよく分かっていた。実際、よく攻めたと見ることもできる。しかし、それでも足りなかったというのだ。

【次ページ】 ミスを覚悟でリスクを冒して攻めに出た。

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