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南野拓実を育てたザルツブルク。
ステップには最適、長居は……? 

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杉山孝

杉山孝Takashi Sugiyama

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photograph byUniphoto press

posted2018/10/16 11:00

南野拓実を育てたザルツブルク。ステップには最適、長居は……?<Number Web> photograph by Uniphoto press

リーグでは無敵を誇るレッドブル・ザルツブルク。南野拓実が得たものは大きいが巣立ちの時も近づいている。

所属選手の3分の2が外国籍。

 そして、肉付けも怠りない。

 リーグ内に占める外国籍選手の割合が27.9%というのは、欧州では39番目の低さだ。そのオーストリア・ブンデスリーガにおいて所属選手28人中19人が外国籍というザルツブルクは、飛び抜けて異色の存在と言える。しかも優れた人材が、この天才音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの故郷に集っている。

 その1人が、マリ代表MFアマドゥ・ハイダラだ。日本では、『フランス・フットボール』誌が選ぶ21歳以下のバロンドールと言える「コパ賞」候補に日本代表MF堂安律が選ばれたことが話題になった。同様にその10人の候補に入っているのが、この視野の広いMFだ。西アフリカの祖国では、2年前からザルツブルクでプレーする22歳のディアディ・サマセクとともに代表チームの未来を担うと期待されている。

代表期間中に17人がチームを離れる。

 ザンビアから来た20歳のFWパトソン・ダカは、まだ先発に定着できてはいないが、すでに昨年には母国の年間最優秀スポーツマンと、アフリカ大陸の新人賞を受賞している。

「沈むか泳ぎ切るかは、自分次第だ。自分が望むものを心に決めたし、何物もその思いを変えることはできやしない」

 若きストライカーは、野心を隠しはしない。

 その他にも6人がドイツやクロアチアなどの年代別代表に招集されている。フル代表とは異なるU-21やU-19ではあるものの、そうした若手がファーストチームで主役を争う事実も、チームのポテンシャルを測る重要な要素だ。

 今回のインターナショナルブレイク期間中には、実に17人がチームを離れている。そうした状況に関して、マルコ・ローゼ監督はクラブの公式サイトを通じて「ほぼひとりぼっち」とジョークを交えて伝えている。

【次ページ】 南野拓実にとってこの環境はどうか。

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南野拓実
レッドブル・ザルツブルク
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