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「日本で一番強い牝馬」を見逃すな。
秋華賞はアーモンドアイの晴舞台だ。
posted2018/10/13 10:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
ここは「歴史的名牝」への通過点か。
第23回秋華賞(10月14日、京都芝内回り2000m、3歳牝馬GI)で、アーモンドアイ(父ロードカナロア、美浦・国枝栄厩舎)が、史上5頭目の牝馬三冠制覇に挑む。
アーモンドアイは、10日、水曜日に美浦トレセンの坂路コースで行われた追い切りで、主戦のクリストフ・ルメールを背に4ハロン49秒7-12秒5という、この日の一番時計を叩き出した。馬場状態がよく、調教助手より体重の軽い騎手が乗っていたとはいえ、馬なりのままこの猛時計で走ったのだから、恐ろしい。絶対能力の高さをあらためて示したと同時に、状態のよさをアピールする格好になった。
桜花賞をノーステッキで圧勝し、オークスでは序盤掛かりながら、好位から抜け出して二冠牝馬となった。その実力は、同世代の牝馬では抜けている。直線が短くトリッキーで、ウオッカやブエナビスタといった末脚を武器とした名牝でさえ敗れた京都の内回りコースも、オークスのレース内容からして問題ないだろう。
「今の日本で一番強い牝馬」
唯一の不安要素は、オークス以来約5カ月ぶりの実戦となることだが、それも追い切りの動きで吹き飛ばした。
「時計は出たけど、彼女にとっては軽い追い切りだった。呼吸(の戻り)もとてもよかったです。いいコンディションです」
と話したルメールは、アーモンドアイのこれまでのレースを振り返りながら、こうコメントした。
「今の日本で一番強い牝馬です」
もちろん、リップサービスではないだろう。ひょっとしたら、筆者のように、牝牡の枠を越えて、今の日本で一番強いと思っているかもしれない。
先日、管理する国枝調教師に「古馬の牡馬を含めて一番強いのでは?」と訊いたところ、「そういう馬になっていく可能性はあると思います」という答えが返ってきた。