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武豊騎手JRA通算4000勝の快挙は、
凱旋門賞のフランスでも大きな話題。
posted2018/10/12 16:30
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
9月29日の阪神競馬でJRA通算4000勝を達成した武豊騎手。ひと息つく間もなくフランスへ飛んだことは先週の当コラムでも記した通り。
今回の遠征の最大の目的はクリンチャーとコンビを組んでの凱旋門賞挑戦だった。結果的には17着に敗れ、大願成就とはならなかった。
しかし、4000勝の金字塔は海の向こうでも燦然と光を放っていることを実感できるシーンを何度も目の当たりにしたので、今回はそんなエピソードを紹介したい。
凱旋門賞から遡ること2日。10月5日、武豊騎手はサンクルー競馬場で2つのレースに騎乗した。騎乗依頼をしてきたのは、かの地で開業するジョン・ハモンド調教師。過去にモンジューやスワーヴダンサーで凱旋門賞などGIを幾つも勝っている名調教師だ。
2001、2002年と武豊騎手がフランスに居を構えて長期滞在し、現地の競馬に挑んだ事があるが、その時、主戦として招いてくれたのも彼だった。
ペリエからの「おめでとう」。
外国のトップトレーナーからわざわざ海を越えてまで依頼を受ける日本人騎手は他にいない。そんな期待に応え、2001年には同師のインペリアルビューティーでGI・アベイユドロンシャン賞を制したわけだが、4000勝ジョッキーは今回も良い仕事をして貢献してみせた。2レース共に見せ場を作り、そのうちの1つは見事に先頭でゴールを駆け抜けてみせたのである。
「ゴールした直後にオリビエ(・ペリエ騎手)から『おめでとう。これで4001勝目だね!!』と言われたけど、『それは違う』って答えました」
武豊騎手は笑いながらそう言った。彼のJRA通算4000勝という記録は海の向こうでも誰もが知っていたのだ。