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頂点はエネイブル&デットーリ!
凱旋門賞への日本馬の挑戦は続く。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byAFLO
posted2018/10/09 11:30
エネイブルとデットーリ、凱旋門賞を2連覇したまさに世界最強のコンビだ。
デットーリ「今回が一番緊張した」
勢いではシーオブクラスが上回っていたが、エネイブルが短首差で猛追をしのいで優勝。ロンシャン競馬場が改修工事中だったためシャンティー競馬場で行われた昨年の凱旋門賞につづく連覇を達成した。連覇は'13、'14年のトレヴ以来7頭目だが、異なる競馬場での連覇は初めてのことだ。デットーリは自身の凱旋門賞単独最多勝記録を更新する6勝目となった。
「これまでの凱旋門賞で、今回が一番緊張した」と話したデットーリは、エネイブルの力を信じ、圧勝する競馬をした。
着差が僅かになったのは、臨戦過程が理想的なものではなかったぶんだろう。昨年の凱旋門賞から11カ月ぶりの実戦となった前走のセプテンバーステークスを勝つには勝ったが、4頭立ての少頭数で、しかもオールウェザーだった。どうにか間に合わせたという印象だったが、ここまで仕上げた陣営と、力を引き出したデットーリの手腕には敬意を表したい。
武豊はサバサバした口調で振り返る。
クリンチャーは大きく離された17着。
「プランどおり、いいポジションをとれたし、流れも悪くなかった。あとは慌てないように、ペースと前の動きを見ながら乗りました」と武はサバサバした口調で振り返る。7度目の参戦だった意義を問われると「いや、6勝した人もいますからね。いつか勝ちたい。大きな目標です」と口元を引き締めた。
管理する宮本調教師としては、手を尽くしたうえでの結果だった。
「申し訳ありません。状態は最高によかったのですが、世界の壁は厚いと感じました。乗り方は武騎手に任せていました。エネイブルをマークしていましたが、ついて行けなくなりましたね。このような大きなレースに連れてきてくれたクリンチャーと前田幸治オーナーに感謝したいです」
なお、仏ダービーを制したディープインパクト産駒のスタディオブマンは9着だった。