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「目の前の1試合に集中するだけ」
鹿島の快進撃を支える勝利のDNA。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byItaru Chiba/AFLO
posted2018/10/06 11:00
強い鹿島アントラーズが帰ってきた。立ち返る原点があるクラブというのはこれほどまでに強いのだ。
目の前の勝利が、積み重なって歴史になる。
内田らがピッチに復帰し、戦力に厚みは増してきている。それでも、この日はレオシルバが出場停止だった。安部はU-19アジア選手権のためにチームを離れることが決まっている。昌子の復帰もまだ未定。代表活動期間に行われるルヴァンカップでは、三竿とスンヒョンが不在となる。
主力が欠ければ、まったく同じサッカーができるわけではない。選手はひとりひとり個性も強みも弱点も違う。それをいかにチームとして形成するかがもっとも重要なことなのだ。「いかに勝つか」というこだわりが脈々と受け継がれてきた鹿島には、チームとしてのDNAがあると言われている。
それを証明するための戦いが続く。リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯。そしてACL、その先にあるクラブW杯。
「先のことは考えず、目の前の1試合に集中するだけだから」
遠藤はいつも、まったくぶれることなくそう話す。
苦しい試合でも内容が良くなくても、勝ちさえすればいい。1試合の勝利という「点」がつながれば、強豪という「線」が生まれる。それが鹿島アントラーズの歴史だ。