ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
絶対王者バイエルンがまさかの失速。
原因は選手層、アンチはホクホク顔。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byUniphoto Press
posted2018/10/05 10:30
ミュラー、ノイアーらを擁して相変わらずの陣容であるバイエルン。しかし今ひとつ勝ち点を稼げていない状況だ。
バイエルンの関係者は高飛車?
また、バイエルンの関係者は何かと高飛車な物言いをする方が多いのです。
ヘーネス会長はロシアワールドカップでグループステージ敗退に終わったドイツ代表に関して「バイエルン・ミュンヘンが良い状態にあってこそ、代表が再び良くなっていくと思っている」なんて言いますし、ミュラーは今季序盤戦で好調だった時期に「僕らは再び前進し、ブンデスリーガを支配していきたい。そのポテンシャルがチームにあることは明確だ。僕らはブンデスリーガのファンじゃない。だからハラハラする展開は、できるだけ抑えなくてはならない」と言い放ちました。
ただ、サッカーに関心がない一般人は総じてバイエルンに興味を抱きます。なぜなら、サッカー関連のニュースで取り上げられるのは、バイエルンばかりだからです。
僕の大家さんの娘さんはサッカーに興味がありませんが、あえて「好きなチームは?」と聞くと「バイエルンでいいんじゃない? だって、一番強いんでしょ」と言っています。
イラン代表の英雄も在籍した。
また、ドイツに多くいる移民の方々は「バイエルンが好き」と答える割合が多いようにも感じます。その土地で生まれた人々ではないことから地元クラブとの結びつきが薄いのもひとつの要因ですが、例えばイランから来た方に話を聞くと、「アリ・カリミやバヒド・ハシェミアンが在籍したチームだからね」と、かつてのイラン代表の英雄たちとの関連性を述べたりします。
ハシェミアン、懐かしい。あだ名は「ヘリコプター」。
ドイツワールドカップのアジア予選、イランの首都テヘランのアザディ・スタジアムが11万人の大観衆で埋まり、日本代表はハシェミアンに2ゴールを決められて敗れました。
サッカーに興味がある人も、そうでない人も、バイエルンの動向には注目しています。リーガ7連覇、そして6年ぶりのCL制覇の鍵はずばり、さらなる負傷者を出さないこと。加えて、今冬には新たなスターを獲得する必要に迫られるかもしれません。