プロ野球PRESSBACK NUMBER
西武・松井稼頭央の引退と気配り。
うれし涙は日本一までとっておく。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2018/10/05 08:00
10年ぶりのリーグ優勝を決めた9月30日の日本ハム戦後には、チームメイトに胴上げをされた。
あらためて25年間は長いですね。
去り行くレジェンドには、やり残したことがある。ライオンズでは意外にも、まだ日本一になったことがない。
「改めて振り返ると本当に25年間は長いですね。その時間の、ほとんどが苦しいことと悔しいことでした。それを乗り越えた先にある、ほんの少しの喜びを得るために、つらい思いや悔しい思いをしなきゃいけないんだなと、いつも思いながらやってきました。
当然、悔しさや、悔いは残りますが、それでもいい野球人生だったと思います。いろいろな方のサポートがあり、ファンの方の声援に励まされながらやってきました。本当に感謝の言葉しかないです」
会見の最後を、「うれし涙は日本一のときまでとっておきます」という一言で締めくくった。
ライオンズで育ち、ライオンズで現役生活を終える“ミスターレオ”は、最後、ライオンズのユニホームに身を包み、頂点に立つことを望んでいる。