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ローマ新スタジアム建築計画で汚職。
2000年超の魔都ゆえの厄介さとは。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2018/10/03 11:00

ローマ新スタジアム建築計画で汚職。2000年超の魔都ゆえの厄介さとは。<Number Web> photograph by AFLO

ローマにとって長年の聖地オリンピコ。本拠地移転が果たされるはずだったが、今季もまた使用されている。

ナポリも年間シートで“被害”。

 さらに南からスクデット争いに気を吐くナポリでも、本拠地「サン・パオロ」を巡って、クラブと“大家”である地元自治体がいがみ合っている。その根は深い。

 スクデットを争う近年はチームの好調もあって満員になることも多いが、実は「サン・パオロ」の年間シート購入者数は減り続けている。

 マラドーナの時代にはチケット争奪戦がお約束で、年間シートは毎年6万枚近く売れた。

 それが、近年ではセリエAに昇格した'07年夏の2万2582席をピークに減り続け、2シーズン前の'16年夏にはわずか6000席を割り込んだ。スクデットを争い、国内有数の人口100万弱を抱える大都市クラブの年間シートが、今季はフロジノーネやスパルよりも売れていないのだ。

 理由は多々あるが、今季に限っては来年7月に開催されるユニバーシアードに向けた、観客席エリアを含むスタジアムの全面改修工事のせいで、年間シート販売キャンペーンが打てなかった影響が大きい。

長年続くクラブと市側の対立。

 クラブと市側と対立の発端は9年前に遡る。

 シチリア・ダービーでの大暴動事件を受けて、内務省とサッカー連盟は、各スタジアムに電子認証式入場ゲートの即刻導入を厳命。設置義務は本来スタジアムの所有者であるナポリ市側にあったが、喫緊の重要課題だったために、クラブのデラウレンティス会長は当座の設置費用240万ユーロを肩代わりした。ところが、ナポリ市側は費用を弁済しようとしないまま時が過ぎ、クラブ側は不信感を貯めこんだ。

 長年にわたる慣例によって、ナポリ市議会が議員特権としてメインスタンドのチケット200席分を主催試合ごとに無料で確保してきたことも、クラブにとって不満の種だった。

 その間、チームは欧州カップ戦へ安定して出場できるまでにレベルアップを果たしたが、「サン・パオロ」の座席シートは狭小でUEFA基準を満たせず、クラブは何度となくお叱りを受けている。デラウレンティス会長は再三にわたって座席取り換えを要求してきたが市当局は放置し続け、自らが招致したユニバーシアード開催がいよいよ差し迫った今になって、ようやく重い腰を上げたことでクラブの怒りの火に油を注いだ。

 '15年6月にスタジアム使用契約期限が切れて以降、クラブと自治体、両者間での建設的な対話は途絶えている。

【次ページ】 会長の仰天プランに市長は呆れ顔。

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