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山崎紘菜のラグビー愛が深すぎる。
女優業と1日4試合観戦の超多忙生活。 

text by

朴鐘泰

朴鐘泰Park Jong Tae

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photograph byAsami Enomoto

posted2018/09/21 07:00

山崎紘菜のラグビー愛が深すぎる。女優業と1日4試合観戦の超多忙生活。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

多忙な女優業の合間を縫って、スタジアムへ足を運ぶ。「秩父宮で見かけたら、是非お声掛けくださいね!」

女優としてのポジションも大きく変わった。

――ラグビーから少し離れますが、19歳の時といまとでは、女優としてのポジションもだいぶ変わったかと思います。女優・山崎紘菜として、この5年間で何が変わりました?

山崎 気持ちが変わりました。いま思えばすごく浅はかですけど、以前は自分のためだけに仕事してたんです。目の前の仕事を上手くやろう、賞をもらって認めてもらおう、とか。もちろん賞をいただけたらうれしいんですけど、ある時、「5年後、10年後にどうなりたいの?」と聞かれて、何も答えられない自分がいたんです。

 その時、自分は何も持っていないんだということに気づきました。目先のことばかり気にして、その動機も自分のため、でしたから。そこから自分と向き合って、ちゃんと考えるようになりました。

 わたしは偶然と偶然が重なり合って、たまたま芸能界に入れただけのただの女の子ですけど、わたしが出演した作品を観てくれた方が、「学校行くのがイヤだったけど、行く気になりました」とか、「元気になりました」って言ってもらえることって、すごいことだなって思うんです。人の気持ちを動かせて、人の気持ちを明るくすることができる仕事って、本当にすごいなって。

 大学選手権のイメージモデルをしている時、ラグビーのことが全然分からなくて、もどかしくて、すごく落ち込んだ時期があったんですけど、ある日、「紘菜さんのポスターを観て、ラグビーを始めました。この仕事をやってくださって、ありがとうございます」って声を掛けられたんです。ああ、思いって誰かに届いているんだな、誰かに届けられるんだなって。

 女優としてまだまだ未熟ですし、簡単な言葉ですけど、人に勇気や元気を与えられる仕事というのは、本当に尊いものだと思うんです。昔は「自分のため」でした。でもいま、自分はどうでもいいです。賞がほしいとも思いません。わたしの作品を観た誰かが、楽しい時間をすごせたら、それでいい。いやなことが一瞬でも和らいだのなら、それだけでいい、と思っています。

デートを申し込むキャプテンはいなかったそう。

 取材時間の残りが15分を切った頃、彼女の方からニヤリと笑みを浮かべながら切り出してきた。

「そういえば、誰も言ってきませんでしたよ。4年間ずっと。わたしOKだって言ったのに」

 5年前の原稿で僕はこう書いた。

『80分間の死闘のあと、ピッチ上で行なわれる山崎さんによる勝利キャプテンインタビュー。質問に答え終えたキャプテンが最後に言い放つ。

「優勝したら、僕とデートしてください!」

 そんな肝の座ったキャプテンがいたら、決勝はかつてない(方向性から)異様な盛り上がりを見せるのではないか、と。』

 やっぱり、無謀なキャプテンはいなかったようだ(いてほしかったけど)。

【次ページ】 「わたしにとってラガーマンって……」

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