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長谷部誠が中田英寿に伝えたいこと。
「だから、書いといてください!」

posted2018/09/18 15:00

 
長谷部誠が中田英寿に伝えたいこと。「だから、書いといてください!」<Number Web> photograph by Ryu Voelkel

長谷部誠は決して安易な言葉を発しない。その一言一言に、彼が積み重ねてきた思想の一端が見える。

text by

了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

PROFILE

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Ryu Voelkel

 Number961号に掲載した長谷部誠の取材が行われたのは、ブンデスリーガ2018-2019シーズン開幕直前のある日、午前と午後に行われる2部練習の合間の昼下がりだった。予定よりも少し早く待ち合わせのカフェに姿を現し、テキパキと注文をする。

「炭酸水の大きなボトルとグラスを3つ」

 在独11年の人が発する言葉に注釈をつけるのも野暮というものだが、ドイツ語は流暢だ。テーブルに水が届くと、「飲みますよね?」と当然のようにカメラマンと筆者のグラスに注いでいき、一息つく。「ドイツも暑いですね」と、ささやかな雑談を交わしながらインタビューに入った。

 最初に聞いた質問は、こうだった。

 なぜドイツでここまで長くプレーできているのか、どういう実感を持ってやっているのか。

いつもは冷静な長谷部が熱っぽく。

 すると、長谷部はドイツ移籍当初から現在までの“思い”を、うまくまとめて話してくれた。

「(自分のキャリアは)現在進行形なのですけど……やっぱりこうしてヨーロッパの舞台でやれてるというのは、間違いなくいろんな先輩たちが踏んで来られた段階があってのことだと思います。ヒデさん(中田英寿)もそうだし、そういう方々への感謝は絶対忘れちゃいけないなと思っていて。僕もドイツに来るときには、1人のサッカー選手という以前に“日本人代表”というか、自分への評価がこれからヨーロッパに来る若い日本人選手への評価にもつながるんだろうなと、背負ってやってきた部分もあります」

 おそらくは先輩たちが背負ってきたもの、それを感謝とともに後輩に受け継ぐ。いつも冷静沈着な長谷部が、思いのほか熱っぽく話したことに驚いた。

【次ページ】 「国っていう概念を取り払いたい」

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