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田中将大、10月の大一番で先発か。
ヤンキースのエースとして信頼度大。
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2018/09/17 11:30
後半戦に入り、安定感を増した田中将大は5年連続の2ケタ勝利も達成した。
速球投手ではないけど追求する。
確かに、すぐに結果は伴わなかった。
8月10日のレンジャーズ戦では、6回途中まで3アーチを浴び、6失点でKO。ただ、田中は悲観するどころか、体内の感覚が発信するプラス材料を、明確な言葉で口にしていた。この日、速球の最速は148km。メジャーデビュー当時のような150km台後半の数字などは求めていない。その一方で、速球で打者のバットを押し込めている、確かな感覚をつかんでいた。
「結果的に、フォーシームを完璧にはじき返されているかというと、最近ないんです。基本、変化球を打たれているので、いいバランスの配球があると思う。自分は速球投手ではない、というのは分かっていることなので、でも速い球を意識させていかないといけない。その使い方は今後もさらに追求はしていかないといけないですけど。でも、直球に関して手応えは感じてはいます」
速球投手ではない、と言いつつ、投球の基本は速球。
田中は磨くべき部分を十二分に理解し、実践してきた。
「昨年のようなマサになって」
今季から指揮を執るアーロン・ブーン監督は、田中の上昇気配に語気を強める。
「この数週間、マサ(田中)はすばらしい投球を繰り返している。昨年のポストシーズンにようになってほしい」
その昨年のポストシーズン、3試合で先発を任された田中は、2勝1敗ながら防御率0.90と、抜群の勝負強さを発揮した。ブーン監督の言葉に、おそらく飾りはない。
残り3週間となった時点で、ヤンキース首脳陣は先発ローテを一時的に6人に増やし、微調整を始めた。もう1人の候補セベリーノが、球宴後、防御率6.95(9月10日現在)と調子を落としているだけに、「10・3」の大一番へ向けた田中への期待度は高まるばかり。
そんな周囲の声を、田中が意気に感じないはずはない。