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田中将大、10月の大一番で先発か。
ヤンキースのエースとして信頼度大。
posted2018/09/17 11:30
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
重圧に強い、というより、重圧のかかる試合に適した選手がいる。
ヤンキース田中将大は、間違いなく、そのタイプの投手である。
ペナント争いが佳境を迎え、ア・リーグ東地区の優勝争いでヤンキースは首位レッドソックスに「10.5差」(9月13日現在)と大きく水を空けられているとはいえ、ワイルドカードでのポストシーズン進出はほぼ確実視されている。
となると、一発勝負となる10月3日のワイルドカード試合の先発マウンドに向かうのは誰か――。
その大役候補として、田中がいよいよ本領を発揮し始めた。9月7日のマリナーズ戦では、8回を投げ、3安打無失点。今季最多となる10奪三振の快投で11勝目を挙げた。
再びエースの雰囲気が漂い始めた。
5年連続2桁勝利に王手をかけて臨んだ8月は、5試合に先発しながら未勝利。打線の無援護、不運な安打で失点するなど、上昇気配を見せていた投球内容をよそに、足踏みが続いた。だが、9月1日のタイガース戦で7回1失点と好投し、2桁勝利に到達したのを機に、田中に再び「エース」の雰囲気が漂い始めた。
「月が変われば、ツキも変わります」
試合後の田中は、そう言って笑ったが、もちろん「ツキ」だけで勝てるほど、甘い世界ではない。
5年目を迎えた田中は、今季序盤、持ち前の安定感を欠いた。2年目以来、過去3年間務めた開幕投手も、24歳の快速右腕ルイス・セベリーノに譲った。球宴までに7勝2敗と勝ち星こそ先行したものの、防御率は4.54。6月には両太もも裏の張りで約1カ月間、戦列を離脱するなど、不本意な日々を送った。
それだけに、後半の勝負所へかける思いは格別だった。故障者リスト入りしている間を利用して、投球フォームを入念に再チェック。左足の上げ方などを改良し、先発ローテーションに戻ってきた。