競馬PRESSBACK NUMBER
一度は競馬に反発した幼少期を経て、
親子2代で夢を繋ぐ手塚貴久調教師。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2018/09/07 16:30
コンスタントに好成績を残している手塚貴久調教師。秋競馬でも有力馬の出走が多く控えている。
今年ここまで重賞勝利はないが。
勝ったのは大きなところばかりではない。勝利数は毎年一定の数字を残すようになった。'15年に36勝を挙げ、年間の自己最多勝利記録を更新すると、昨年'17年には38勝で更にその勝ち鞍を更新。今年も9月2日の時点で19勝。
重賞も昨年はセダブリランテスでラジオNIKKEI賞(GIII)を優勝。今年も同馬で年頭にいきなり中山金杯(GIII)を優勝した。
しかし、その後の重賞では惜敗を繰り返している。マウレアではクイーンC(GIII)5着、チューリップ賞(GII)2着の後、桜花賞、オークスのGIで連続5着。マイネルファンロンではスプリングS(GII)3着、フィエールマンではラジオNIKKEI賞(GIII)を2着とすると、ヤングマンパワーでは関屋記念(GIII)4着、アンブロークンでは先々週の新潟2歳S(GIII)で2着だった。
また、9月2日に行われた新潟記念(GIII)ではセダブリランテスが3番人気に支持されたが、残念ながら7着に敗れてしまった。
しかし、安定して良績を残せるようになった現在、次から次へと矢は放たれる。中山競馬場で今週末の土曜日に行われる紫苑S(GIII)にはマウレアを、同じく日曜日の京成杯AH(GIII)にはヤングマンパワーをそれぞれ送り込む。
日本新となる29連勝の記録を樹立したドージマファイターを管理した父のように、「広く世間に認知される馬を世に送り出す」事が手塚の目指すところだと言う。いずれそんな馬が現れ、そういう日が来る事を応援したい。