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スポーツを通じて女性に真の自由を!
パキスタンの女子サッカー最前線。 

text by

ポリーヌ・オマンビイク

ポリーヌ・オマンビイクPauline Omam Biyik

PROFILE

photograph byDiya FC

posted2018/09/05 10:30

スポーツを通じて女性に真の自由を!パキスタンの女子サッカー最前線。<Number Web> photograph by Diya FC

写真中央が、パキスタンにおける女子サッカーのパイオニアであるサディア・シェイク。サッカーを通じて社会の変革を図っている。

サッカーを通じて夢を追う女性達。

「(子供を参加させるのを)躊躇している親もいて、根気よく対話して説得し、ときにはすべてこちらで準備するからと確約してようやく許可を得ることもあります」と彼女は現状を語る。

 そうした親のひとりはこう証言する。

「たしかに最初は多くの疑問がありました。だから大人しくしていた方がいいと。でもすぐに娘が変わった。ずっと明るくなり積極的になって、だから私たちも、サッカーを通して彼女が自分の夢を追い続けるのをサポートし続けました」

 多くの親たちにとって、フィンランドと中国でプレーした経験もあるサディアは、娘たちのよき手本であった。それはメンタリティを変えたいと願っている人々にとっても同様だった。

ボールを蹴るだけで女性の自立を促した。

 中国国境に近いシムシャールは、山岳地帯の中の穏やかな村である。

 人口2000人、標高3100mに位置するこの村は、首都イスラマバードからは370kmほど離れ、到着までに車で17時間を要する。大都市からの経済的な恩恵も開発の可能性もない孤立した地域である。

 だが、ムナワルとそのいとこたち、カリシュマ、マクスード、アゼムは、ここでサッカーと女性の権利のために戦い続けている。

「現状を脱却」し、「女性の自立を支援しながら社会を変えていく」ために、彼らは2016年に「アルシャムス・ウィメンFC」を創設したのだった。

 クラブは瞬く間に地域社会の原動力となった。

「この年は90人以上の女性が練習に参加しました」とムナワルは説明する。そして複数のNGOの援助を得て、6つのチームがシーズンを通して大会に参加した。

「人々は変わった。よりオープンになり、娘たちが家の中に留まっていることに満足しなくなりました。何故なら彼ら自身が、スポーツから恩恵を受けているからです」

【次ページ】 女性に何の権利も与えられない土地で。

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サディア・シェイキ
ディアFC

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