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アジア大会銀獲得の女子ビーチペア。
結成4年目コンビが紡いだ信頼感。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byAFLO
posted2018/09/04 11:00
女子ビーチバレー日本勢では12年ぶりの銀メダル。東京五輪に開催国枠を使わずに出場できる可能性も残す強豪ペアだ。
金メダル狙いは決して大言壮語ではない。
今シーズンに入ってから石井・村上ペアは常に結果を残してきた。
ジャパンビーチバレーボールツアー2018第1戦の沖縄大会で優勝。同じ4月に開催されたアジア大会への出場権をかけた大会、JVAカップ兼アジア競技大会日本代表チーム選考大会で優勝し、アジア大会への出場を決めると、その後は6月に行われたジャパンビーチバレーボールツアー2018第3戦・平塚大会 ガラナ・アンタルチカ杯でも優勝。国内では向かうところ敵なしの強さを誇っている。
続く7月10日~15日にはスイスで開催されたワールドツアーの最高峰FIVBワールドツアーグシュタッドメジャーに出場。石井・村上ペアはワールドツアーランキング21位(当時)のブラジルに勝ち、ベスト8入りを果たす。
準々決勝で惜しくもヨーロッパの強豪ドイツに敗れたが、5位タイという好成績で大会を終えた。
ビーチバレーのワールドツアーは2017年から大会規模に応じ、いちばん下の1スターから最高ランクの5スターまで5段階でレベルを分けている。石井・村上が5位で終えたグシュタッドメジャーは最高峰の5スターで、最も強い選手が集まる大会だった。そこで入賞したことに、彼女たちの著しい成長が表れている。
続くワールドツアー東京大会(3スター)でも銅メダルを獲得し、アジア大会に臨んだ。それだけに「金メダルが欲しかった」という2人の言葉には現実味がある。
開催国権利ではなく、自力出場?
2人が2年後に開催される東京オリンピック日本代表の最有力候補であることは間違いないが、特筆すべきは“開催国権利”ではなく、自力での出場に望みがあることだ。
8月27日現在でのFIVBビーチバレーボールワールドランキングで石井・村上ペアは日本人最高の29位。オリンピック出場権を得るにはいくつかの関門があり、そのうちの1つである、2018年9月1日から2020年6月14日の指定された大会で得られるポイント獲得数で争う『オリンピックランキング上位15チーム』での出場に、大いに望みをつないでいる。