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森保U-21のエース候補、上田綺世。
「得点能力は誰にも負けたくない」 

text by

飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2018/09/03 11:20

森保U-21のエース候補、上田綺世。「得点能力は誰にも負けたくない」<Number Web> photograph by AFLO

今大会で東京五輪世代のエースストライカー候補に一躍名乗りをあげた上田綺世。ストライカー然とした存在感に惹かれる。

150cmだった身長も180cmに。

 ストライカーとしての原点が小学生時代なら、ターニングポイントは中学時代にあるかもしれない。

「身体の成長が遅くてフィジカル的に勝てない時期があって、すごく悩んだんです。小さい頃はドリブルもしていて、どんな形からでも点が取れていたんですけど、それが崩れてきて自分のスタイルを見失って……」

 例えば、中村俊輔は中学生時代、中村憲剛は高校に入学してもなお身体が小さく、大きな壁にぶつかっている。しかし、だからこそ彼らは、相手に身体をぶつけられないポジショニングを考えるようになり、相手に当たられる前にパスをさばく完璧なボールコントロールやパス技術を身につけた。

 あるいは、佐藤寿人の身長は170センチと、ストライカーとしては大きくない。だからこそ、相手DFとの駆け引きの仕方やボールを引き出す動きやポジショニングに磨きをかけた。

 上田もまた小柄だったからこそ、高さやスピードといった身体能力に頼るのではなく、動きの質とシュート精度を徹底的に磨くことができたのかもしれない。

「あのときガマンしたから、そこでも点にこだわり続けたから、身体がしっかりできた今、活躍できているのかな」

 中学に入学したとき150センチくらいだった身長は高校入学時には170センチになり、今は180センチになった。鹿島アントラーズノルテジュニアユースからユースへの昇格は逃したが、鹿島学園高でストライカーとしての資質をさらに伸ばしてきたのだ。

言動のすべてがストライカー。

 子どもの頃から点を取ることだけを考えてきたというだけに、言動のすべてがストライカーらしく、キレ味がある。

「周りはみんなプロ選手で、僕はまだアマチュアですけど、法政の上田綺世という名前を知ってもらえるように、どんどん名前を売って、広まっていけばいい」

「得点能力は誰にも負けたくないですし、負けているとも思っていない。プロの練習に参加したときも、ポゼッション練習は本当にヘタなんですけど、シュート練習とかヘディングとかでは絶対に負けたくないという気持ちでやっています」

「ワンタッチゴールは多いですね。大学サッカーでもほとんどワンタッチゴール。去年も12点取ったうちの9点がワンタッチでした。そこにすべてを懸けているというか」

【次ページ】 プロ入りは卒業後か、在学中か。

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