Jをめぐる冒険BACK NUMBER
森保U-21、アジアの頂点に王手。
決勝の相手は兵役免除がかかる韓国。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAFLO
posted2018/08/30 11:50
上田綺世(15番)の決勝点を喜び合うU-21日本代表。決勝では日韓戦という最高にしびれる闘いが待ち受ける。
ソン・フンミンら擁する韓国との決勝。
接戦を制しながら辿り着いた決勝の相手はライバルの韓国である。韓国のメッシと呼ばれるMFイ・スンウ(ベローナ)をはじめとする23歳以下のベストメンバーに、A代表のエースでもあるFWソン・フンミン(トッテナム)、今大会9ゴールで得点ランク首位を独走するFWファン・ウィジョ(ガンバ大阪)、A代表の正GKであるチョ・ヒョヌ(大邱FC)ら3人のオーバーエイジを加えた強敵だ。
彼らは今大会で金メダルを獲得すれば兵役を免除されるうえに、相手が日本ということで、これ以上にない高いモチベーションと闘志で臨んでくるだろう。
しかし、日本の若者たちも負けていない。
「向こうは人生が懸かっているだろうけど、僕らも人生をサッカーに懸けているので、そこは本当に負けられないし、今の自分たちの勢いだったり、やってきたことを全力でぶつけてやるしかないと思う」
「ウィジョに頼むよと言われても」
MF岩崎悠人(京都サンガ)が頼もしいコメントを発すると初瀬は彼らしく、笑いを織り交ぜて、こう言った。
「昨日ホテルでウィジョに『頼むよ』って言われましたけど、ピッチに立てば関係ない。自分たちが勝ったら、ガンバで合わせる顔がないですけど、国と国との戦いだと思っているので。自分たちには兵役免除とかはないですけど、国を背負っているので、韓国には絶対に負けられないと思います」
昨年12月に立ち上げられて以来、ナイーブなミスによる敗戦を繰り返してきたが、今大会を通してチームは頼もしくなってきた。相手は2歳年上で、オーバーエイジまで加えている。実力や経験を冷静に分析すれば、韓国に分があるのは間違いない。
その彼らと若き日本代表がどこまでやれるのか――。9月1日の決戦が楽しみだ。