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東京五輪の酷暑マラソンは任せろ!
アジア金の井上大仁、驚くべき工夫。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2018/08/30 10:30
バーレーンのエルアバシ(左)と最後までデッドヒートを演じた金メダリストの井上大仁。
東京五輪は「もっと厳しい条件に」。
暑熱対策に関して野上は、「スペシャルドリンクがかなり冷えていた。それを何度も飲んだり身体にかけたりすることで体感温度が変わった。他のレースでも続けていきたい」と収穫を感じている。
日本全体としては、今回の暑熱対策の成果をどのようにとらえているのか。
河野匡コーチはこのように説明する。
「暑熱対策については折に触れて話してきたが、そういった中で、それぞれが工夫し始めている。これは今後の財産になる。暑熱対策に絶対正しいというものがあればベストだが、やはり、いろいろな科学的データや知恵を自分でカスタマイズできたときにこそ武器になると思う」
過酷な暑さの中で結果を出した井上や野上には自信につながる大会となった。それは「もっと厳しい条件になる」と誰もが予想している東京五輪に向けての大きな一歩だった。