JリーグPRESSBACK NUMBER
浦和・岩波拓也はポドルスキ公認。
靴職人の父と水風船がパスの原点。
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byAFLO
posted2018/08/25 17:30
同じリオ世代の遠藤航が抜け、チャンスが巡ってきた岩波拓也。浦和サポーターの熱い期待に応えたい。
出始めてから負けるわけには。
後半戦の途中からスタメンに定着し、何よりも手応えを感じているのは、チームとして結果を残していることだ。
「自分が試合に出始めてから負けていると言われたくない」
サンフレッチェ広島戦で8試合ぶりに先発出場すると、1失点に抑えて快勝。続く川崎F戦は無失点勝利に貢献した。
「チャンスをつかんだからいまがある。悔しさをピッチの中で晴らしている。半年間かかったけど、あいつが努力してきたのは見てきたから。頼もしいよ」
槙野はプライベートでも食事に連れていく後輩の成長ぶりに目を細めていた。
インターセプトの回数も徐々に増え、競り合いでも強さを発揮。ロシアW杯を経験した先輩の槙野からは「守備はリアクションではなく、アクション。ゴールを奪うための守備をしよう」と言われ続けている。
リオの悔しさはA代表で晴らす。
浦和で結果を残すことを最優先に考えながらも、A代表への思いも隠そうとはしない。リオデジャネイロ五輪のアジア予選は主力として戦ったが、本大会はメンバー入りしながらも試合出場はなし。2年経ったいまも当時を振り返ると、無念の思いが言葉ににじむ。
「人生で一番、悔しい思いをした。代表の悔しさは代表で晴らすしかない。A代表に食い込んで見返したい」
浦和でようやく確固たるポジションをつかみつつある、リオ世代の24歳。森保一監督が率いる新生ジャパンに名前を連ねる日は、そう遠くないかもしれない。