競馬PRESSBACK NUMBER
武豊、欧州遠征で世界選抜主将に。
アクシデントも海外挑戦は続く。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2018/08/17 11:20
イギリス、アスコット競馬場でシャーガーCに出場した武豊騎手。日本の第一人者として知名度は高い。
騎乗馬が道中まさかの……。
道中、全く脚の無くなった騎乗馬に異変を感じた日本の第一人者は、最終コーナーを回ったところで止めにかかった。しかし、相変わらず様子がおかしい。
馬は苦しがる素振りを見せ、止まろうとしない。仕方なく武豊騎手は馬場に飛び降りると、その後、馬は倒れて痙攣。やがてその動きも止まってしまった。おそらく心臓発作を発症してしまったようだ。
「かわいそうでした」
そう語る武豊騎手だが、本人自身も飛び降りた際に左手親指の付け根を打撲していた。続く第4レースこそ騎乗(9着)したものの、患部が腫れて痛みも出てきたため最後の5鞍目はキャンセル。その後の閉幕セレモニーもパスしてすぐに病院へ向かった。
検査の結果は打撲。骨には異常無しという診断で、翌日のドーヴィル開催は経過が良ければ騎乗可能となった。
イギリスからフランスに移動したが。
病院から直接、ヒースロー空港へ駆けつけると、その晩のうちにフランスのシャルルドゴール空港へ飛んだ。そして、翌朝には予定通りドーヴィルへ移動した。しかし……。
「患部が内出血して思ったよりも治りが遅かった。万全の状態で乗れないのでは関係者に迷惑をかけてしまうので……」
と、結局この日に騎乗予定だった3鞍も全てキャンセル。翌日には急きょ帰国。日本で通院する運びとなったのだ。
遡って7月22日。メゾンラフィット競馬場で行われたメシドール賞(GIII)をジェニアルで勝利するなど、良い思い出も残る今夏のヨーロッパ遠征は、こうして幕を閉じた。最後は残念な結果ではあったが、同騎手は言う。
「アクシデントに見舞われながらも最悪の結果を招く事はなかったので、不幸中の幸いと考えるより仕方ありません」