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井上康生が「新種」と評する
破格の柔道家・高藤直寿。

posted2018/08/15 08:00

 
井上康生が「新種」と評する破格の柔道家・高藤直寿。<Number Web> photograph by AFLO

高藤直寿は、9月20日からアゼルバイジャンで開催される世界柔道男子60kg級で連覇をかけて戦う。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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AFLO

 破格――。

 ふと、そんな言葉が思い起こされる柔道家がいる。柔道男子60kg級、高藤直寿(たかとう・なおひさ)。9月下旬に行なわれる世界選手権代表にも名を連ねている。

 そのキャリアは華々しいものだ。

 小中学生時代は全国大会を制し、高校時代は世界ジュニア選手権で優勝。大学2年生で世界選手権金メダルを獲得するなど、年代ごとに結果を残してきた。

 ただ、高藤の名を知らしめたのは、残してきた成績のみによるのではない。彼の柔道スタイルこそ、その存在を確固としたものとしている理由だ。

「変幻自在」「抜群の勝負勘」と評されたこともあるが、相手の出方に応じて瞬時に対応する能力に秀でている。さらにそればかりではない。

 相手と身体が密着したところから抱えながら回転させて投げる「高藤スペシャル」(大腰を変形させたようなもの)など、彼ならではの技を持つ。

昔だったら「なんじゃこりゃ」。

 以前、日本男子代表の井上康生監督が高藤を表現した言葉は象徴的だ。

「新種ですね。何十年か前の柔道家が見たら『なんじゃこりゃ』と驚くと思います」

 オリジナルの柔道を築いた彼には、規格外である自負もあるのだろう。数々の強烈な言葉も放ってきた。

 2013年に世界選手権で優勝したあと、「オリンピックで4連覇したいです」と言い放つと、2015年のグランドスラム東京で優勝したあとはこうだ。

「ふつうにやれば、世界に負ける相手はいないということを証明できました」

【次ページ】 リオ五輪の銅メダルという試練。

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