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全米プロ好発進、ファウラーの心。
親友の死を悲しむより人生を祝福。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2018/08/10 12:20
ジャロード・ライルを悼むイエローのシャツで、リッキー・ファウラーは初日を「エンジョイ」した。
いつも以上にメンタルが問われる全米プロに。
不調続きの松山英樹は前週は下を向いて終わったが、今週は「36ホールを完走する」と、まずは予選2日間の全力投球を心に誓い、気持ちを切り替えて顔を上げて挑んだら、2アンダー、68で16位の好発進。
「ピンチもありながらノーボギーで抑えられた。チャンスは少なかったけどフェアウエイに置けた。メジャーの初日としては良かった」と、前向きに喜びを見い出し、ようやく明るい笑顔をのぞかせた。
今大会の前週にジュニア時代からの恩師・千葉晃プロを亡くした池田勇太は「千葉プロを天国へ見送る試合にしたいよね」と、ファウラー同様、悲しみを笑顔に変えて前を向き、やはり2アンダー、68で16位の好発進。それでも「やってやろうという気持ちが前面に出過ぎないように」とメンタル面を抑えていくことを心がけて2日目に挑む。
そして、ファウラーのこの一言が、すべてを物語る。
「勝つためには、必ずしも特別なプレーをする必要はない」
ゴルフは最後は心――今年の全米プロは、そんな戦いになる。