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ドイツは今季もバイエルン無双?
まず長谷部フランクフルトが挑む。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2018/08/10 08:00
レバンドフスキらを擁するバイエルン。フランクフルトの長谷部誠はドイツスーパー杯で意地を見せられるか。
ヘーネス会長は収監後また復職。
昨季途中、フランクフルトの監督をしていたニコ・コバチを“強奪”した際は喧々諤々の論争が巻き起こりましたが、バイエルン首脳陣はどこ吹く風です。
振り返れば、2014年3月に脱税の罪で有罪判決を受けて収監されたウリ・ヘーネス会長は2016年2月に模範囚として刑期が縮小されて出所すると、同年11月唯一の候補者としてクラブの会長選挙に立候補して当選。見事に復職しています。まさに沈黙の掟。ドンに誓いを立てた者たちの結束は、もはや揺るぎないのでしょう。
クラブ経営が安定しており、豊富な資金を有し、観客動員も突出。もはやバイエルンに隙はないとも思えるのですが、国内1強の状況を心よく思っていない僕としては、ここはやはり波乱を期待したいところです。
気になるのはロベリーらの高齢化。
先述したように、バイエルンは主力選手の放出を免れています。しかし、キャプテンのマヌエル・ノイアーが32歳、アリエン・ロッベンが34歳、フランク・リベリーが35歳。マッツ・フンメルスとボアテンク、中盤のハビ・マルティネス、そしてレバンドフスキも今年で30歳を迎えます。
ニクラス・ズーレ、ヨシュア・キミッヒ、キングスレー・コマン、コランタン・トリソ、そして今季加入したゴレツカなどの若手もいますが、主力の高齢化による世代交代の時期は着々と迫っていて、タイトル防衛、もしくはCL制覇のためにはハメス・ロドリゲス、チアゴ、トーマス・ミュラーらの中堅どころの活躍は必須でしょう。
8月12日のドイツスーパーカップでは、昨季王者のバイエルンとDFBポカールを制したフランクフルトが対戦します。ここで、我がアイントラハト(フランクフルトの愛称)がホームのコンメルツバンク・アレナで“バイエルン・ファミリー”を打ち負かしてくれれば……。今は、そんな淡い期待を抱いている次第です。
最後に一言。「マコト・ハセベ、頑張れ!」