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ロッテ井上晴哉が「主砲」に化けた!
初球も、追い込まれても打つ男。 

text by

永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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photograph byKyodo News

posted2018/07/28 09:00

ロッテ井上晴哉が「主砲」に化けた!初球も、追い込まれても打つ男。<Number Web> photograph by Kyodo News

入団時からパワーは折り紙つきだったが、今年の井上晴哉は安定感が全く違う。

完全に生まれ変わった井上晴哉。

 今回の金森コーチの帰還で、開幕前、覚醒を期待する選手がいた。

 井上晴哉である。

 非凡なパワーと右方向への打球には以前から定評があった彼だが、これまでのプロ5年間では結果を出そう、良いところを見せようという気持ちと体が空回り。肉体改造に励んで臨んだ昨年(2017年)も35試合出場で113打数26安打、打率.230、本塁打ゼロと「今年こそは」と期待する周囲を裏切った。

 それが、今年は違った。

 7月24日現在、77試合に出場した井上は、打率.292、打点66、本塁打18と人が変わったような見事な変身ぶり。これまでの地道な努力がついに報われた格好となった。無論、それを引き出したのは金森コーチの熱心な指導のおかげだ。

2ストライクに追い込まれてから11本塁打。

 7月18日、ZOZOマリンスタジアム(対東北楽天)の3回裏。井上晴哉の「覚醒」が本物であると証明したシーンがあった。

 2死一、二塁の場面で打席に入った井上は、ファール、ファールと2球続けて、あっさり0ボール2ストライクと追い込まれた。

 しかし、そこからが今年の彼の真骨頂だった。

 相手バッテリーの誘い球を堂々と見送り、際どいボールは全てファールで凌ぐ。ある種の開き直り、そして思い切りの良さ。

 そこからフルカウントまで粘りに粘って、相手投手に投げさせたボールは全部で13球。結局、彼は四球を選んで自軍のチャンスを広げた。

「やっぱりストライクを振って、際どいボールになる球を我慢できていることが一番じゃないですかね」

 金森コーチも彼の好調の要因をそう表現した。

 ここまでのカウント別の打撃成績を見ても、それは一目瞭然だ。

0ボール2ストライク 23打数 5安打  3打点1本塁打、打率.217。
1ボール2ストライク 43打数 5安打  5打点2本塁打、打率.116。
2ボール2ストライク 36打数 8安打  7打点4本塁打、打率.222。
3ボール2ストライク 37打数13安打14打点4本塁打、打率.351。
(数字は全て7月22日現在)

 とにかく2ストライクに追い込まれてからが強い。

 ここまでの本塁打数18本のうち11本が追い込まれてからのもの。出塁率も昨年から1割近くの上昇で現在.371を示している。何かを起こす期待感は、昨年までの彼とまるで比べ物にならない。

【次ページ】 清宮幸太郎を優に上回る主砲の働き。

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