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10代投手は年間50イニング制限。
結城海斗が挑む米マイナーって?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byKyodo News
posted2018/07/21 17:00
米大リーグのロイヤルズとマイナー契約を結んだ結城海斗投手。右は大屋博行国際スカウト。
10代は年間多くとも50イニング。
メジャー球団は10代の投手の肩肘の怪我を極力回避したいし、実際に10代の内は年間多くとも15試合50イニング程度に制限されるので、本当の勝負は20歳を超えてからだ。前出のセベリーノは21歳の時にAA級で開幕を迎え、シーズン途中でAAA級へ昇格したかと思えば、メジャーにも昇格している。彼のメジャー昇格までに要した年数は平均的なマイナー契約の選手に比べて短い方だが、そうなる可能性は結城にも等しくある。
余談になるが、結城はカブスのダルビッシュ有投手と同じ大阪府羽曳野市の出身だ。彼のマイナー契約のニュースが流れた日、ダルビッシュと雑談する機会があり、彼はその存在を「知ってますよ」と言い、こう続けた。
「大きく育って欲しいです」
日本にはきっと、「16歳の少年がメジャー球団とマイナー契約した」という前例のない事実に驚き、戸惑い、その複雑な感情を否定的な方向に向けてしまう人々もいるかと思う。だからこそ、そういう気持ちをぐっと堪えて、すでに動き出したこの「メジャー挑戦」を応援してあげて欲しい。長い目で見守ってあげて欲しいと思う。