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オールスターと縁がなかった名選手。
1400安打男や134勝投手が実は……。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2018/07/17 07:00

オールスターと縁がなかった名選手。1400安打男や134勝投手が実は……。<Number Web> photograph by Kyodo News

オールスター初出場でいきなりホームランを放った栗山巧。パ・リーグのベンチも球団の垣根を越えて大喜びだった。

西武・栗山は初出場でホームラン。

 現役では田中浩康がいる。早大からヤクルトに入り、俊敏な二塁手として重用されたが山田哲人の台頭で戦力外となり、DeNAに移籍した。今は出場機会も限られている。これからの選出は厳しいかもしれない。

 実は2016年までレオン・リーを上回る安打を打ちながら球宴出場「0」だった選手がいた。西武の栗山巧だ。2016年6月には1500本安打を記録。3割3回、ベストナイン3回、ゴールデングラブ1回の名外野手だったが、なぜか選出されなかった。しかしこの2016年に初めて選ばれ、初打席初本塁打を記録した。私は小さく快哉を叫んだものだ。

100勝以上挙げた投手で出場ゼロは4人。

 投手では、100勝以上の135人でオールスターに選出されなかったのは以下の4人(同様に戦前デビューの8人を除く)。

渡辺省三(134勝)
若生忠男(105勝)
田中勉(103勝)
山下律夫(103勝)

 いずれも40~50年前に活躍した投手だ。

 ローテが確立され、先発で勝ち星を稼いだ投手は、たとえファン投票で選ばれなくても、監督推薦でもれなく選ばれるようになった。あまり外れはないのだ。

実績を残したリリーフ投手たちが……。

 むしろ現代は、救援投手で球宴をめぐる運不運が見られる。

 100セーブ、100ホールド以上を記録してオールスター選出0の選手。

<セーブ>
マイケル中村(104セーブ)

<ホールド>
ウィリアムス(141ホールド)
高橋聡文(141ホールド)※
松岡健一(127ホールド)※
大谷智久(117ホールド)※
押本健彦(111ホールド)
横山竜士(110ホールド)
今村猛(108ホールド)※
星野智樹(105ホールド)

 100セーブ以上ではマイケル中村が球宴出場なし。2006年に最多セーブを記録したが選出されず、100ホールド以上では9人が選出されていない。

 ジェフ・ウィリアムスは阪神の誇る勝利の方程式、JFKの「J」だった。2007年には驚異的な防御率0.96を記録。絶対的な存在だった。

 ウィリアムスのほかにも高橋聡文、松岡健一、大谷智久、今村猛などは、チームの勝利には不可欠なピッチャーだ。

【次ページ】 選手寿命が短いセットアッパーの悲哀。

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