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W杯早期敗退とドイツ国民の振る舞い。
一見サバサバでも本心はガッカリ? 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2018/07/14 07:00

W杯早期敗退とドイツ国民の振る舞い。一見サバサバでも本心はガッカリ?<Number Web> photograph by Getty Images

まさかのグループリーグ敗退を味わったドイツ国民。でもその後は意外と冷静なようで……。

「日本残念ねぇ。ドイツを応援しなさい」

 日本がベルギーに敗戦した翌日、悔しさを漂わせながら外出しようとすると、階段下で大家のおばちゃんと遭遇しました。

「あら、あなた、どうしたの?」と言うので、「いやー、昨日ワールドカップで日本がベルギーに負けてしまって……」と返すと、「あら、日本はワールドカップに出てたの? それは残念ねぇ。じゃあ、あとはドイツを応援しなさいよ」と言われました。

 大家さんは生粋のドイツ国民ですが、サッカーにはまったく興味なし。だから、「ドイツは日本よりも先に敗退しました」と言うのは野暮。「はい、分かりました」と言うと、大家さんはにっこり笑って「素直でよろしい」と返してくれました。これが、ドイツで生きていくための正しい処世術なのかもしれません。

 一喜一憂するのも良し。無関心を装うのも良し。それでも……嬉しい思い、悲しい思い、様々な感情を抱けることこそが、サッカーという競技本来の魅力なんじゃないかなと、心根は熱いのに表面的に平静を装うドイツの方々の所作を見て感じています。

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