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一軍を経験し「このままじゃだめ」。
西武・金子一輝が痛感した走塁力。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2018/07/12 13:30
金子一輝は5月12日の千葉ロッテ戦で途中出場しプロデビューを飾った。
大きくリードをとる秋山や金子侑司との違いは?
今シーズンの開幕前、秋山翔吾、水口大地らとともに行った自主トレーニングの際に、金子一輝自身もリードの改善を試みている。
「秋山さん、水口さんと話しているときに『もっと大きく取った方がいい』とアドバイスをいただいて、だいぶリードを大きくしたんです。結果、イースタンリーグでは盗塁をかなり決められた。大きくしてよかったと思っています」
相手バッテリーの力量や、投手のけん制のうまさ。さまざまな状況でリードの大きさは変わる。
「大きく(リードを取って)出られてる人はいます。そのほんのちょっとの距離は、脚の速さは関係なくて、やはり反応だと思いました。だから、まずは実際に大きく出られている人の場所まで出てみよう、と」
思い切ってリードを広げてみても、けん制球の際、意外と一塁に戻れることがわかった。
「やっぱり次の塁に近ければ近い方がいいじゃないですか。秋山さん、侑司さんなど、走塁のお手本となってくださる選手と一緒に試合を経験できたのが自分にとっては大きかったですね。
もちろんいい経験だし、なんていうか、心強い感じでした。これだけ成功率の高い選手がいるんだから、僕は思い切っていくだけ。実際に秋山さんも『思い切って行け』と言ってくれましたから」
一軍の野球は「新しい野球」。
練習後、吹き出る汗をぬぐいながら質問に答えてくれた。
「刺激的な一軍経験? そうですね。今までやってきた野球とは違う、新しい野球という感覚でしょうか。楽しいって言っていいのかわからないけど、やっていてワクワクするような緊張感がありました。あそこでしか味わえないものだと思います。
まずは自分の課題をひとつひとつつぶしてから、一軍に上がりたい。今は毎日、試合や練習があるのでその中でひとつひとつ課題を克服していくつもりです」