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オリ増井浩俊は見た目以上に貪欲。
「僕は記憶より記録で残すタイプ」

posted2018/07/12 07:00

 
オリ増井浩俊は見た目以上に貪欲。「僕は記憶より記録で残すタイプ」<Number Web> photograph by Kyodo News

5年ぶり3度目の出場となるオールスターに選出され、オリックスのファンはもちろん、古巣・日本ハム時代のファンにも感謝した。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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Kyodo News

 6月29日、オリックスの守護神・増井浩俊は、昨年まで慣れ親しんだ札幌ドームのマウンドに、史上4人目の記録をかけてあがった。

 過去に江夏豊、マーク・クルーン、デニス・サファテの3人しか達成したことのない“12球団からのセーブ”である。

 昨年まで北海道日本ハムで守護神を務めていた増井は、そこで11球団からセーブを挙げており、残るは古巣からのセーブのみとなっていた。

 オリックスが2-1とリードして迎えた9回裏に増井がマウンドに上がると、オリックスファンだけでなく、日本ハムのファンからも拍手が送られた。自分たちが応援するチームがリードされているにも関わらずだ。

「ビジターだったのに拍手をもらって……。『あったかいなー』って、札幌ドームの雰囲気になんかちょっと感動というかね。いやぁありがたかったですね」

 そうした感慨もすぐに胸の内に封じ込め、増井は口をへの字にギュッと結ぶと、いつものように冷静に、14球で3つのアウトを奪って締めた。その瞬間、ようやく安堵の笑顔を浮かべた。

セーブ、タイトルへのこだわりは明言する。

 日本人としては37年ぶり2人目の快挙。ヒーローインタビューでは、喜びを噛みしめるように語った。

「まさか自分がこういう記録を達成できるとは思わなかったので、ここまで育ててくださった皆さんに感謝したいと思います。リリーフに転向してからずっと武田久さんの背中を追いかけて、クローザーを目指してやってきたので、今こうやってクローザーとして記録を作れていることは本当に嬉しく思います」

 12球団セーブへの意欲は、今シーズン開幕時から口にしていた。

 マウンドでは常に表情を変えることなく淡々と投げ、派手なガッツポーズもしない。普段から穏やかで、一見、あまり欲がなさそうに見える。しかし実はセーブへのこだわりや、タイトルへの欲をハッキリと口にする。

「やっぱりセーブは特別ですね。抑えって各チーム1人ですし、一番、頼られるピッチャーが1人、最後に投げさせてもらえるので、そこをどれだけできるかというのが、今の自分の目標でもあります」

【次ページ】 チーム第一でも、タイトルは貪欲に狙う。

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