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ベルギーの猛攻を守りきり決勝へ。
フランスがついに手にした一体感。

posted2018/07/11 17:00

 
ベルギーの猛攻を守りきり決勝へ。フランスがついに手にした一体感。<Number Web> photograph by Getty Images

フランス代表といえば内紛のイメージも強いが、今大会は全くの無縁。才能たちが完全な一枚岩になっている。

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原山裕平

原山裕平Yuhei Harayama

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 オリビエ・ジルーは、まるでDFのように振る舞った。ポール・ポグバは、間違いなく屈強なCBだった。エデン・アザール、ロメル・ルカク、ケビン・デブライネらワールドクラスを揃える赤い悪魔の猛攻を、フランスはまさに11人全員で守り抜き、遂にファイナルの舞台へと駆け上がった。

“事実上の決勝戦”と目されたフランスとベルギーのセミファイナルは、立ち上がりから攻守が目まぐるしく入れ替わるハイテンションな戦いとなった。

 先にチャンスをつかんだのはベルギー。基本布陣は3-4-3ながら、守備時には4-4-2で対応する可変システムが、ブラジル戦に次いで、このフランス戦でもチームに安定感をもたらしていた。

 とりわけ輝きを放ったのがE・アザールだった。3トップの一角を占めながらもまるでウイングバックのような位置取りで左サイドに目一杯に張り出すと、タッチライン際で鋭いドリブルを繰り返し、フランス守備陣を翻弄していく。

 15分にデブライネからのパスをエリア内で受けて決定的シュートを放つと、19分にはカットインから強烈なシュートをお見舞い。悲願の決勝進出に向け、ベルギーの10番は鬼気迫るプレーを見せつけた。

ロリスのスーパーセーブで流れが変わる。

 しかし、潮目が変わったのは、このシュートで得たCKだったかもしれない。ナセル・シャドリのキックをマルアン・フェライニが落とし、トビー・アルデルバイレルトが左足を振り抜く。

 先制点が生まれたかに思われたが、ここで立ちはだかったのが、フランスの守護神ユーゴ・ロリスだった。懸命に両腕を伸ばし、枠に飛んできたボールをかき出すようにゴールの外へと弾き出したのだ。

 このプレーを境に、フランスは徐々に落ち着きを取り戻していく。ポグバ、エンゴロ・カンテを中心に中盤でのボール奪取の機会を増やすと、縦に速い攻撃でベルギーゴールに迫っていく。

【次ページ】 アザールが軸となり、グリーズマンが攻勢を導く。

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