猛牛のささやきBACK NUMBER
オリ増井浩俊は見た目以上に貪欲。
「僕は記憶より記録で残すタイプ」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2018/07/12 07:00
5年ぶり3度目の出場となるオールスターに選出され、オリックスのファンはもちろん、古巣・日本ハム時代のファンにも感謝した。
意外にも低い自己評価?
「結果やタイトルはあとからついてくるものなので」といった発言をする選手も多い中、ここまで数字やタイトルへの意欲を口に出す選手はめずらしい。しかもそれがギラギラしたオーラをまとった選手ではなく、“静”のイメージのある増井だから面白い。
「みんな思いは同じだと思いますけど、僕はそれを普通に言っちゃうんですよね(笑)。やっぱり欲しいですもん。
僕は“記憶に残る”というよりは、“記録で残す”タイプの選手だと思うので。そんなに人気選手ではないし、目立つタイプじゃないから。だからしっかり記録で、プロ野球界にいたことを残せたらなーと思っているんです」
この言葉には驚いた。
確かに派手なパフォーマンスで目立つタイプではない。しかし12球団セーブを達成した日の日本ハムファンからの温かい拍手や、オリックス1年目にして、オールスターのファン投票でパ・リーグの投手でトップの44万3580票を獲得して選出されたことを考えても、「そんなに人気選手ではない」というのはあまりに自己評価が低すぎるだろう。
7月10日現在、増井はリーグトップの22セーブを挙げている。自身初のセーブ王のタイトルへ、後半戦もひた走る。