サムライブルーの原材料BACK NUMBER
塩谷司はUAEで代表復帰に燃える。
「意志が強いとは思わない。でも」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byYuki Suenaga
posted2018/07/13 11:30
いまも、センターバックとして海外でプレーする選手は数少ない。塩谷司の急浮上もおおいにありうるのだ。
イランの“ド”アウェーで鍛えられたメンタル。
復帰したのが1月12日のアウェー、アルワスル戦。この試合は初めてボランチで起用され、3-1で勝利している。
「イエローカードをもらったのはこの1試合だけでした。まさかボランチをやらされるとは思わなかったですけど(復帰して)しっかり勝つことができたのは自分としても大きかった。結局リーグ戦は1敗しかしなかった。
ケガをして2カ月ほど試合に出られない時期もありましたけど、この間に日本に戻って1回リセットできたのも良かったのかな、と」
得点能力の高さも見せつけた。リーグ戦では3ゴールをマーク。ACLでも3月のエステグラル(イラン)戦でミドルシュートを決めている。
中東の環境によって「メンタルも動じなくなった」という。
「イランで試合をしたとき、7万人とか8万人のファンが集まってそれも男性だけ。“ド”アウェーのなかで試合をやるので、メンタルはかなり鍛えられたと思います。最初は手探りのところもありましたけど、段々と馴染んでいけたかな、と。
日々のトレーニングや生活でも、それは同じです。日本は練習時間にきっちり始まるのに、アルアインでは5分ぐらい遅れて選手たちは出てくる。文化や気風の違いと受け止めて、そこにストレスを感じるんじゃなくて逆に馴染もうとする。チームでの食事もそうです。(中東の)いろんな料理が出てきたりしますけど、おいしく食べています」
元Jリーグ組の存在も大きかった。
周囲の支えも大きかったという。
日々の食事面は妻が全面的にサポートしてくれた。家族の存在によって、精神的なストレスを感じずに済んだ。
そしてカイオ、元広島でチームメイトのドウグラスの存在。ドウグラスはシーズン途中で移籍してしまったものの、分からないことはアドバイスをくれた。アルアインで活躍することが、周囲への恩返しであった。