【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
ロシアW杯で誰が、どう儲かったのか?
“クローズド”な構造を“オープン”に。
posted2018/07/12 08:00
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
Kyodo News
サッカー日本代表が決勝トーナメントに進出し善戦を見せたこともあり、ワールドカップ(W杯)が国内でも大きく盛り上がっています。
日本代表の結果は素晴らしいものだと思いますが、私には1つ気にかかったことがあります。
このW杯を通して、果たして誰が儲かったのか?
ビジネスの機会としてのイノベーションはあったのか?
試合当日は、テレビ観戦できる居酒屋やスポーツバーなどが満員になったかもしれません。しかし、それはあくまでも1日限りのことで、365日というスパンと規模で考えると、大きな経済効果とはいえないでしょう。
W杯の熱狂が日本でのビジネスに繋がってないのでは!?
お会いしたとあるJリーグOBの方は解説で忙しく、寝られないと言っていましたが、そのような仕事が回ってくる人は限定された存在です。
レプリカユニフォームは売れたのかもしれません。ただし、私の印象では、今大会用のユニフォームを着たファンや子どもを街中で見かけるというほどではありませんでした。
決勝トーナメントに進んだからと、急遽飛行機の便を取りロシアに行き応援したという人も、私の周りにはいません。
急遽盛り上がったこともあり、全体を見渡すと、熱狂とビジネスチャンスと利益の大きさが釣り合っていないと、ふと感じました。
そこで考えさせられたのが、W杯関連のものごとが、“オープン”であるか“クローズド”であるか、という問題です。