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ダルが称賛された「Class Act」。
マイナー登板後の弱気と感謝の印。 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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photograph byKyodo News

posted2018/07/01 08:00

ダルが称賛された「Class Act」。マイナー登板後の弱気と感謝の印。<Number Web> photograph by Kyodo News

負傷に苦しんでいる今シーズンのダルビッシュだが、アメリカの通な野球ファンはその実力を認めている。

両チーム選手への「Class Act」。

 その日のリハビリ登板を映像で見たマドン監督が「5回を投げられるのであれば(復帰に)充分かもしれない」と楽観的なコメントを口にしたのとは対照的だった。その言葉に追随して地元メディアの幾つかは既成事実のように「球宴前の復帰」を伝え、中には29日からのツインズ戦で投げるだろうと書いた人々もいたが、28日、遠征先のロサンゼルスでダルビッシュの「週末復帰」は回避されることが発表された。

「これが最後のステップであればいいですけど、どうなるか分からない。その日によって違うので、明日キャッチボールしてみてどうなるか」

 そう言い残してダルビッシュがサウスベンドを去った頃、両チームのクラブハウスに米国で有名なステーキ店やシーフード店の料理が並んだ。

 それはダルビッシュからマイナーリーガーたちへの感謝の印だった。リハビリのためにマイナーの試合に出場した選手が、味方の選手たちに「お礼」として食事をご馳走するのは慣例となっているが、相手チームの選手にまで気遣いを見せる選手はそう多くない。

 サウスベンドまで取材に来ていたシカゴの地元メディアがそれを取り上げると、SNSで瞬く間に拡散。ここでもネガティブなことを言って喜ぶ輩はいたが、対戦した選手たちを筆頭に、その大多数が「Class Act(品のある行動)」としてダルビッシュに感謝の言葉を送った。

無理して復帰する必要はきっと、ない。

 だからと言うわけではないが、無理して復帰する必要はきっと、ない。すでに手厳しいことを書いているメディアや批判したがるファンの視線は変わらないので、今さら彼らを相手にしても仕方がない。大事なのは「どのように始まるのか」ではなく、「どのように終わるのか」だ。

 くもり空はいつか散る。

「雲外蒼天(うんがいそうてん)」。

 その時に広がっている青空はきっと、今まで見たことがないぐらい美しいはずだから――。

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