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ダルが称賛された「Class Act」。
マイナー登板後の弱気と感謝の印。 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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photograph byKyodo News

posted2018/07/01 08:00

ダルが称賛された「Class Act」。マイナー登板後の弱気と感謝の印。<Number Web> photograph by Kyodo News

負傷に苦しんでいる今シーズンのダルビッシュだが、アメリカの通な野球ファンはその実力を認めている。

心配するなユウ、今でも愛してるぜ!

 ダルビッシュは「僕がこんな時でも温かい言葉をかけてくれるし、サポートしてもらってると感じる」と言っていた。

 もちろん本拠地リグリーフィールドでも、リハビリのために姿を現しただけで声援が飛ぶ。キャッチボールを終えただけで「Don't worry,Yuuu! We still love Yuuu!(心配するなユウ! 俺たち今でも君を愛してるぜ!)」と叫ぶような、愛すべきファンが圧倒的に多い。

 カブス・ファンは、レッドソックスやフィリーズ・ファンとは決定的に違う。それはシカゴのある合衆国中西部と、ボストンやフィラデルフィアなど東海岸の気質の違いかも知れない。

 中西部と東海岸の両方に住んだ経験を踏まえて言うと、東海岸の人々は言葉の使い方も他人との接し方も「厳しい」。それとは対照的に中西部は「優しい」。そして、それはシカゴから車でたったの1時間半の距離にあるサウスベンドでもはっきりと示された。

 ウエストミシガン・ホワイトキャップスという聞き慣れないチームを相手に、ダルビッシュは初回をわずか5球で三者凡退に切って取った。

抑えても打たれても「Yuuu!」。

 上々の立ち上がりに、レンジャーズ・ファンから引き継がれた「Yuuu!」という声援が飛ぶ。2回は右翼フェンス直撃の二塁打を打たれたものの、アウトはすべて空振り三振。ここでも「What a inning(なんてイニングだ)!」という声援と共に「Yuuu!」。3回には左翼へソロ本塁打を打たれると、「It's all right(大丈夫だぜ)!」という励ましと共に「Yuuu!」という声援が飛んだ。

 前日、シンシナティでカブスのジョー・マドン監督が「4イニングぐらい投げる」と予告していたので、4回終了時には「Good Job(いい仕事したね)!」という労いの声援と「Yuuu!」が聞こえた。

 メジャーリーグより4階級下のマイナーリーグとは言え、5月20日のシンシナティ・レッズ戦で今季初勝利を挙げて以来の実戦のマウンドだ。5回57球を投げて3安打1失点5三振は上出来だった。

【次ページ】 試合後の表情は少し困惑していた。

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