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上原彩子の飛距離がまた伸びた!
新コーチは地獄の練習で何を教えた?
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2018/06/19 07:30
新コーチのテッド・オーと上原彩子。過酷な練習を課す氏のトレーニングで、上原のプレーは一気に変貌した。
男子プロでさえ音を上げる練習を黙々と。
上原とタッグを組んだのは2017年のシーズン半ばからだった。
下手にスイングをいじくって、結果が出ないまま来季のシード権を逃してしまっては元も子もない。まずは「予選通過」を目標に微調整だけ行い、12月の合宿で本格的なスイング修正に取り組んだ。
「彩子の体はマラソンランナーみたいでした。体のバランスは整っているが、スイングスピードは遅い。つまり瞬発力が欠けていたのです」
そこで、とにかくクラブを速く振るためのトレーニングに力を入れた。
そのトレーニング合宿には、日本、韓国、米ツアーらの男女プロゴルファー約45選手が参加していた。男子は、月、水、金。女子は火、木、土。毎朝6時~夜10時まで食事以外の休憩なし。「13時間のトレーニング+2時間の練習」が参加者に課された。日曜は男女とも、ひたすら練習のみという超ハードスケジュールである。
20歳前後の男子プロですら音をあげて自主的に休む日があるのに、毎日練習を欠かさなかった選手が一人だけいた。
上原である。
ストップしないと練習を止めないほどの熱意!
弱音を吐くことなく、黙々と努力し続ける34歳の姿勢にオーは驚いたという。
「合宿前には『しっかり練習しないと!』と発破をかけましたが、1週間過ぎたあたりから『いつでも休んでいいから』と逆にストップをかけるようになったんです」
そしてついに……上原は4週間の合宿を経て、飛距離を10ヤード伸ばすことに成功したのである。腕と手首で振っていた悪癖も改善し、体全体でスイング出来るようにもなった。
上原はショットに自信を持てるようになった。
「以前より自分のイメージ通りに飛ばせます」